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はなじょろ道∞ループ

はなじょろ道の富士見台から富士山と大野山を望む

はなじょろ道、富士見台から望む、富士山と大野山

「はなじょろ道」は「花嫁の道」の意。現在の松田町の虫沢地区と、山北町の八丁地区を結ぶ山越えルートで、虫沢古道を守る会の方々により、ハイキングコースとしてよく整備されています。

バス停 富士急湘南バス: 新松田駅 ⇔ 田代向 登山口

地図 地理院地図: 高松山 , ルート図

天気 はなじょろ道の天気: 松田町 . 田代向バス停

?  はなじょろ道の由来


コース & タイム 鉄道駅 新松田駅 バス停 6:50 == 7:08 田代向バス停 7:09 --- 7:35 虫沢T字路 7:35 --- 7:53 花嫁の鐘 7:53 --- 8:46 ヒネゴ沢乗越 8:52 --- 9:00 富士見台 9:09 ---(尾根ロスタイム30分)--- 11:26 人遠橋 11:26 ---(県道ロスタイム10分)--- 12:13 はなじょろ道入口 12:30 --- 13:31 ヒネゴ沢乗越 13:34 --- 13:54 高松山 14:01 --- 14:29 尺里峠 14:30 --- 15:14 虫沢T字路 15:14 --- 15:36 田代向バス停 バス停 15:45 == 15:03 新松田駅 鉄道駅
※歩行時間には道草と道間違いと写真撮影の時間が含まれています。
ヒネゴ沢乗越(はなじょろ道最高点)、高松山 ひねごさわのっこし:標高 718m、たかまつやま:標高 801m 
単独 2017.3.22 全 8時間27分
 満足度:❀❀❀ ホネオレ度:❢❢

3月22日、よく晴れた風の強い日、前から歩こうと思っていたはなじょろ道を歩いてきました。でもこれだけではもの足りないので、人遠尾根(ひとどおおね)と虫沢古道も足して、一筆書きの∞ループにしました。はなじょろ道の峠付近、富士見台の展望は、その名に相応しい圧巻。人遠尾根の下りでは尾根選びを間違えて、プチ冒険になりました。

段落見出し 田代向バス停から虫沢へ

新松田駅で乗った寄行きの始発バスはガラガラでした。これでは全く不採算ですが、これから通勤通学客を迎えに行くバスなのかも知れません。田代向(たしろむかい)で下車すると、中津川に架かる田代橋を渡ります。橋の上から、うす雪の残る鍋割山稜を望めました。昨日の雨は、塔ノ岳や蛭ヶ岳では雪だったでしょうが、これから行くはなじょろ道と高松山はどうだったでしょうか。春を促す雨になったかも知れません。適度に潤った朝の空気が顔に心地よく感じます。

きょうは、西丹沢登山詳細図を携行しています。田代橋を渡るとすぐの突き当りでは、右の道に赤線がありますが、現場の「はなじょろ道」道標に従い左折。谷戸口橋まで行くと、バス停がありました。登山用には役立ちませんが、平日は3往復あります。谷戸口橋で道標に従い右折。虫沢川沿いに緩やかな坂道を登って行きます。こんな早朝(7時20分)にランドセル姿の子供たちが見られました。春休みはいつからかな? 虫沢川の流れは、さらさらと、春の訪れを告げていました。

虫沢のT字路から長寿橋は近いので行って見ます。川にはいくつもの段差が設けられ、それぞれに白い小滝が朝の光を受けていました。もし魚が遡行するとしたら、大変だろうな、とか思ってしまいますが、これがいいのでしょう。のどかな風景です。左右の土手には、初々しい緑が萌え出でんとしていました。長寿橋からわずかに戻ってT字路へ。「ようこそ『はなじょろ道』へ」の案内板の上に、木彫りのウサギが座っていました。はなじょろ道は右、高松山は左です。

段落見出し はなじょろ道東コース

案内板から1Kmほど歩くと、小さなヒネゴ橋。熊出没の注意書きがあります。橋を渡ると左手、山道の取り付きに「花嫁の鐘」がありました。「鳴らして登ろうはなじょろ道」と書かれています。熊にも知らせなければならないので、3回鳴らしました。往時の花嫁行列は、鐘をたたきながら登ったか、ワイワイ皆で賑やかに登ったか、花嫁さんをしっかり守って行ったことでしょう。逆方向から来た花嫁さんもいたに違いありません。

「詳細図」では、虫沢からヒネゴ沢乗越までを「はなじょろ道東コース」としています。ヒネゴ沢の左岸によく整備された登山道が付けられ、道標が完備、危ない箇所もありません。道には杉や檜の落ち葉が堆積し、前日の雨を吸い込んで膨れたのか、多くの箇所でふかふかしていました。ただ展望はありません。単調と言えば単調です。所々に置かれたチェーンソーアートのウサギやリス、それと標高50mごとに置かれたミニ標識が、その単調さを救っています。

花嫁の鐘から40分ほどで、ヒネゴ沢に架かる木橋を渡ります。そこに炭焼き窯跡がありますが、これを見せるために木橋を架けたのかも知れません。すぐ上の木橋でまた左岸に戻ります。このとき、ピンクのテープに誘われて、真っ直ぐ沢を詰め上げる踏み跡に入りそうになりました。木橋を塞ぐ倒木が、通せんぼのように見えるのも一因ですが、これを跨いで越えるのが正解です。そして10分ほど山道を登ると、ヒネゴ沢乗越でした。

段落見出し 人遠尾根へ

ヒネゴ沢乗越は典型的な峠です。四方を指す道標が立っていました。ここまでで、∞ループの四分の一を歩いたことになります。空腹を覚えたので、お茶とパンにしたのですが、峠の反対側から冷たい強風が吹き付けていたので、立ち木を風よけにしました。木彫りがあって、ウサギの上にリスが乗り、その太い尾の上に大きめの鳥が止まっています。一番下のウサギは、重荷に耐えるように首を下に向けて頑張っています。創った人は何を想い、見る人は何を想うでしょうか?

これより「詳細図」が「はなじょろ道西コース」としている尾根を下ります。5分ほど行くと、堂々たる椹(さわら)の木と説明板が立っていました。幹に記念のタッチをします。さらに1分先の富士見台で、すばらしい眺望が待っていました。真っ白な富士山。前衛には放牧場を持つ大野山。立体感豊かな景観です。あの寒い峠ではなく、ここで休憩すればよかった! ここがはなじょろ道の圧巻、幸せの花嫁も、そうでない花嫁も、富士の姿を瞼に焼き付けたことでしょう。

富士見台で左折し、人遠尾根に進みます。道標が「高杉入口方面」を指す方向です。この先、県道に下り立つまで道標はありません。はなじょろ道とは打って変わった、薄い踏み跡をたどって、やや急な斜面を下ります。でもすぐに、なだらかな尾根歩きになるので、ここは心配ありません。倒木がたくさんあり、たいていは北向きに倒れています。これらを迂回しながらも、尾根を外さないように注意を払いながら進んで行きました。

段落見出し 尾根間違い!

657m峰に、神奈川県有林の赤い「境界見出標」と石柱がありました。これはよい目印になります。次の峰の610mあたりにも境界見出標があり、石柱にはダサ字で第四号と記されていました。その2分ほど先に「水源の森林」の赤帽白杭があり、朽ちた鹿柵(植生保護柵)と緑色の金網が現れます。この柵に沿って、左(南)側に防火帯のような幅があります。これを辿って行くと、とある地点に境界見出標と石柱と赤帽白杭がありました。

ここにはピンクや空色のリボンが結ばれ、しかも杖のような枝が2本立てられていました。明らかに重要ポイントです。鹿柵はここで右に折れて行きました。後で反省すると、ここで鹿柵に沿って右の尾根に進めばよかったのではないかと思います。私はこのとき、地理院地図を見ていて、小峰から南に分岐する道を探していました。そして次の石柱三号で南に分岐する道を見つけ、そこが小峰でないのはちょっと変だな、と思いながらも、これでよかったと思い込んでいました。

以後、西へ西へと尾根を下って行きました。尾根の方向がわずかに変なような気もしましたが、正しいという気もしました。ところが真正面に大野山が見えるようになって、ようやく間違いをはっきりと自覚!しかも行く手が急激に落ちる難斜面。無理やり下れば皆瀬川に下りてしまいます。ここは右手にトラバースして、植林の尾根に道を求めました。植林帯には仕事道があるものです。案の定、すぐに歩きやすい道が見つかり、これを下って行きました。

段落見出し カン違い!

この仕事道は途中でなくなりました。そこにツバキの木があります。踏み跡が下へと続いていますが、県道は川の向こう側。川原に下りようかとも思いましたが、その先が不明です。下降を始めた地点まで仕事道を戻り、1本北の尾根までトラバースしました。幸い難なく北の尾根に移動でき、しかもその尾根には、よく歩かれたような道がありました。この道を元気よく下り、右の小沢を越えて、さらにもう1本北の尾根を巻いて行くと、ようやく県道に出ることができました。

降り立ったところは、人遠橋のすぐ北、県道725号が皆瀬川の左岸を通る区間です。これで∞ループの半分を歩きました。これから皆瀬川を見ながら、その上流へ、はなじょろ道入口まで県道を歩きます。皆瀬川は、じゃぶじゃぶ歩いたら気持ちよさそうでした。でも堰堤が多過ぎます。八丁の集落は、昭和の風情がノスタルジックでしたが、人口は過疎だと思われます。集落のはずれに立つお堂は、後ろに傾いていました。集落の中ほどに、公衆トイレがあります。

県道にはゲートがありました。その手前から道が右に分岐し、川原の諸施設に通じています。この分岐点の道標に「はなじょろ道入口0.5Km」とありました。私はゲートを抜けて県道を進んだのですが、ふと気になりました。「詳細図(2013年11月発行版)」では、川原の道の方に、はなじょろ道の入口が示されています。また間違えたかな? そこで先ほどの分岐まで戻って道標の方向をもう一度確認すると、県道の方向をしっかりと指していました。またタイムロスです。

段落見出し はなじょろ道西コース

同じ道を3回も歩き、はなじょろ道入口にやって来ました。可愛い木彫の仔鹿と仔熊が出迎えてくれます。両方とも紐で縛られているのは、とられないためでしょう。川原に下り、木橋を渡ります。川原の岩に腰を下ろして、ちょっと遅い昼食にしました。堰堤の右岸に魚道がありますが、魚影はありません。ぽかぽか日和の清流で手と顔を洗い、やや疲れた足を初めて休めました。

はなじょろ道は、左岸のコンクリート階段から取り付きます。455m峰の南斜面を経て尾根に上がるのですが、ずっと落葉樹林帯なので日差しがいっぱいでした。東コースが植林帯ばかりで展望のないのと対照的です。こちらはキブシ、マメザクラ、フサザクラ、ミツマタなども見られ、花ゼロ道ではなくてよかったと思いました。地表にフキやスミレ、シュンランでも咲いていたらいいと思ったのですが、花らしいものは地表に見られませんでした。

西コースの名木と言ってもいいでしょうか、長いベンチのような幹を持つカラスザンショウの木がありました。まだ実の入った房がたくさん落ちています。この木は一度倒れて、再び立ち上がったのでしょう。説明板に「葉を煎じてマラリア、風邪に用いる。」と書いてあります。見直しました。この木から10分ほど登ると、きれいな富士山を望めました。コントラストこそ薄いのですが、大野山の位置が好くて、上品な構図になっています。

段落見出し 高松山から虫沢へ下山

その後もよく整備された道と道標に導かれ、順調に富士見台、ヒネゴ沢乗越、高松山へと至りました。すでに午後2時近く、山頂広場には誰もいません。まずは、海を眺めます。その海には酒匂川が向かっています。「みかんの花咲く丘」の歌が心の中で流れます。御殿場線、国道246号、東名高速などもいつも通り。富士山は雲に隠れました。昼寝でもしてみたいところですが、まだ∞ループが四分の一残っています。きょうはミスが重なって、予定時間を超過しました。

尺里峠に下ります。途中の真弓ヶ丘で、きょう初めて地面に咲く花を見ました。このあたりは、もうひと月もすれば、ヤマザクラが美しいところです。バスに乗り遅れないよう速足で下りて来たので、尺里峠には早めに到着しました。ここからは、虫沢へ舗装された車道を下ります。その7分後、すばらしいパノラマがありました。蛭ヶ岳から大山のさらに先まで、表丹沢を一望できます。これは登山地図に記すに値するでしょう。その後、虫沢古道と車道を交互に歩きました。

道標を見て「虫沢集落近道」を下って行くと、私には懐かしい風景である、茶畑やゆず畑が出て来ました。競り上がったタケ山の麓に、点々と虫沢の家屋を見下ろせます。そして今朝通過した虫沢のT字路に到着し、∞ループを描き終えました。あとは来た道をのんびり、虫沢川沿いに下ります。予想外に時間がかかりましたが、体力を十分に残して田代向バス停に帰還しました。無事に下山できて感謝です。はなじょろ道を整備してくださった方々にも感謝します。

木の葉ライン

↓ 紙芝居



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