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華厳山南尾根

華厳山南尾根から望む清川村

華厳山南尾根から望む清川村

華厳山南尾根は、最上部に急峻な区間があります。足場と手がかりのあるルートをよく見極めてから登りましょう。

唐沢林道より望む華厳山南尾根

バス停 神奈中バス: 本厚木駅 → 御門橋 登山口
バス停 神奈中バス: 本厚木駅 ← 土山峠 登山口

地図 地理院地図: 華厳山 , 煤ヶ谷高取山

天気 華厳山の天気: 清川村 , 宮ヶ瀬

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コース & タイム 鉄道駅 本厚木駅 バス停 7:50 == 8:20 御門橋 8:21 --- 8:31 鹿柵ゲート 8:32 --- 8:43 展望地 8:53 --- 9:57 秋葉山 9:57 --- 10:16 464m(煤ヶ谷高取山)10:19 --- 10:27 急登直下の鞍部 10:35 --- 10:45 [急登区間] 11:01 --- 11:11 大きな岩 11:11 --- 11:26 華厳山 11:41 --- 12:00 荻野越 12:01 --- 12:11 展望地 12:16 --- 12:30 経ヶ岳 12:55 --- 13:17 半原越 13:18 --- 13:29 リッチランド分岐 13:34 --- 13:51 仏果山・土山峠分岐 14:01 --- 14:35 旧土山峠 13:36 --- 14:48 土山峠バス停 バス停 15:00 == 15:47 本厚木駅 鉄道駅
※歩行時間には写真撮影と道草の時間が含まれています。
華厳山 けごんやま、標高:602m 単独  2017.12.02 全 6時間27分 満足度:❀❀❀ ホネオレ度:❢❢

12月2日(土)、御門橋から華厳山に登りました。先週、宮ヶ瀬に向かうバスの車窓から眺めた紅葉を、山中で間近に眺めようという趣向です。このねらいは大当たりで、各所で美しい紅葉を楽しむことができました。ただ、華厳山南尾根の最上部は、プチ冒険以上の難所です。山慣れした方以外には、あまりお奨めできません。

段落見出し 御門橋から歩く

宮ヶ瀬行バスの車窓から、寺鐘橋を右に見るとすぐ、架け替え工事中の御門橋を迂回して、御門橋バス停に到着しました。下車し、寺鐘橋まで戻ります。バスの自由乗降区間なので、次回は寺鐘橋で停めてもらうこともできるでしょう。寺鐘橋を渡って、初めに出合う道を左折し、右に茶畑を見ながら突き当りまで行けば、そこが華厳山南尾根の取り付きです。やや右手にある鹿柵扉を開けて通り、しっかりと閉じます。禁猟区なので、里山に野生動物がたくさんいます。

さて、右の尾根に行くべきか、左の尾根に行くべきか、さっそく選択を迫られます。間違っていたら戻るつもりで左の尾根に登ったら、道がありました。ゆっくりと登ること約10分、体が少しずつ暖まり始めた頃、左手に大きな展望がありました。(上の写真)大山、三峰山、鐘ヶ嶽などを望めるほか、清川村の集落をいくつか俯瞰することもできます。ここでリュックを下ろし、準備運動をしました。空気は冷えていますが、手がかじかむ程ではありません。

引き続き、緩やかな尾根を歩いて行きます。あまりに緩やかなので、登るというより、歩くという感じです。「ピウー」と口笛のような音が聞こえると、目の前を横切って、シカが5頭駆け抜けて行きました。あざやかな紅葉・黄葉が至る所に見られます。この時季、遠くから見る山のまだら模様は、必ずしも美しいとは限りませんが、山中で青空をバックに見る紅葉・黄葉は、とてもきれいです。特に紅色から緑色まで変化するグラデーションは、近くで見るに限ります。

段落見出し 美しい尾根の詰めに難所

平坦な尾根がいつまでも続くので、心配になって地形図を見ました。大丈夫です。ようやく尾根の勾配が増して、一登りすると、右から尾根を合わせる地点に、秋葉山の石祠がありました。再び平坦な尾根を歩きます。これが下りに転じるところから杉林になり、「水源の森林」の杭がありました。鞍部から登り返すと、秋葉山と同じくらいの高さの小峰に至りましたが、ここが464m峰(煤ヶ谷高取山)でしょう。標識はありません。アブラチャンの株立ちがたくさんあります。

樹木の向こうに、華厳山が見えてきました。464m峰を下って行くと、落ち葉の敷き詰められた、明るい尾根道になりました。とても気持ちがいいので、鞍部でちょっと休憩。お茶とおやつにします。青空さして、すっくと立つカエデの木々。ある木には橙色の葉、ある木には黄橙の葉。尾根も谷も埋め尽くした落ち葉。透き通ったような日差しを浴びて、まだ木にある葉も、落ちた葉も、色が生きています。鳥獣保護区の赤い標識が、木の根元で落ち葉に埋もれていました。

鞍部ですてきな時間を十分に楽しみました。その先に進みます。10分ほど行くと、勾配が急峻になりました。可能な場合は、立ち木から立ち木へと、盗塁するように登って行きます。下を振り返ると、滑落したら止まらないと思いました。上をよく見て、ホールドと足場の確保できるルートを、できるだけ先まで見極めます。幸い、各所に露出した木の根がしっかりしていました。斜面もよく締まっていて、ほとんどザレません。久しぶりに、指先の筋力を駆使しました。

段落見出し 華厳の山

ルートを慎重に見定めながら、15分ほど登ると、ヤセ尾根に乗りました。ほっと一息つきます。この難所の通過中に撮った写真はありません。歩きやすくなった尾根を進んで行くと、前方に大きな露岩が現れました。この辺りの土地の字(あざな)を「蚕種石(こたねいし)」と言いますが、この岩が蚕種石でしょうか? 尾根は再び急勾配になりましたが、もう危険はありません。天狗巣病の激しいヤマザクラの大木を見て、華厳山と荻野高取山を結ぶ主稜線に入りました。

華厳山頂に至る主稜線には、モミジ・カエデ類の落ち葉がびっしりと敷き詰められていました。もし王様を歓迎する黄金色の道があるとしたら、このようなものでしょうか。寝転んでも気持ちよさそうな感触と華麗さ。それは春先からずっと働き続け、今その使命を全うし、山の肥やしとなる落ち葉。いつまでも木にしがみつかず、潔く落ちる葉に美を感ずるほど、私も歳を取りました。誰もいない、静寂の華厳山。サクサクと落ち葉を踏みしめて、山頂に立ちます。

山頂には、長い丸木のベンチが2脚ありました。ここで昼食にします。熱い紅茶を吹いて飲み、空を見上げると、逆光の木の葉が金色に透き通っていました。今登って来た美しくも険しい尾根の頂点に、華厳山の名を持つこの峰。とてもしっくりします。「西山を守る会」が山頂に設置した郵便受けから、黄色い紙の「西山登山マップ」を1枚もらいました。「採石事業終了後の稜線(推測)」が描かれています。この図のように、本当に「西山」は無くなってしまうのでしょうか?

段落見出し 経ヶ岳へ

華厳山の空は晴れていましたが、丹沢主脈方面は雲に覆われてしまいました。西山登山マップを見て、「ヒオウギ広場」に行って見ます。もちろん、ヒオウギの咲く季節ではありません。行って見ると、明るく開けた小広場が現れ、丸木ベンチと花壇のような囲みがありました。晴れた冬の日に来れば、素晴らしい展望が、夏の日に来れば、ヒオウギの花が見られるのでしょう。華厳山頂は、ほとんど展望が利かないので、休憩を取るならこの広場が好さそうです。

華厳山から経ヶ岳への道は、一旦深く下がります。最低鞍部の荻野越に来ると、里から風に乗って、正午のメロディーが聞こえました。かつては荻野越に交通があったのでしょう。作業用と思われる錆びた脚立が、古びた鹿柵を跨いでいます。これより経ヶ岳山頂まで、急な登りが続きます。トラロープがところどころにありますが、ささくれ始めたロープもあるので、手袋をお忘れなく。また、途中にある展望地や「樅の木地蔵」を励みにして登ることもできるでしょう。

経ヶ岳の山頂にちょうど日が差した時、到着しました。楽しみにして来た丹沢主脈の展望はありません。完全に雲に覆われています。それでも、近場の鍋嵐とその北尾根、堤川山と宮ヶ瀬尾根、辺室山とその稜線などはよく見えました。先週歩いた栂立尾根は、六百沢ノ頭より上が雲の中。高畑山のすぐ左には、新多摩線27号と28号鉄塔を確認できました。それにしても、土曜日だというのに誰もいません。まだ12時半、ここでも山頂を独占し、長めの休憩を取りました。

段落見出し 紅葉庭園

ベンチで静かに座っていたら、姿を隠していた小鳥たちが、ここかしこで動き始めました。メジロ、ヒガラ、コゲラ、ほか、よく見ると、随分とたくさんいて、まるで小鳥の楽園のようです。山は曇天でしたが、時々雲の薄い部分から太陽が顔を出し、山を照らす瞬間がありました。そんな時、生きものだけでなく、無生物も生命を与えられたように輝きます。ただ、それを待っていても、次はいつになるか分からないので、先に進むことにしました。

まず経石を表敬訪問して、西面の落葉樹林を軽快に下って行きました。軽く登り返すと「関東ふれあいの道」の里程標とベンチの置かれた展望地がありましたが、相変らず遠望は残念。でも自分が歩いた尾根や峰がたくさん見えるのは嬉しいものです。そして半原越に下り立つと、坂尻方面は路肩の崩壊で通行止めになっていました。土山峠に向かう私は、ここで仏果山方面に進みます。この時、ハンターが車に猟犬を乗せてやって来ました。ここは禁猟区の外なのでしょう。

半原越から10分ほど登り返して、左にリッチランドへの道を分けます。行けば温泉がありますが、急勾配の道はもうたくさん。山と高原地図に「林相が美しい」と記された、緩やかな径路の方が魅力的です。果たして仏果山方向に15分ほど行くと、左手の谷に美しいモミジの林がありました。数百本はあるでしょうか。この日、最大の紅葉庭園です。ただ、陽の射していないのが惜しい! それでも撮影はしておきましょう。そこは、仏果山・土山峠分岐(560m)の直前でした。

段落見出し 土山峠へ

仏果山・土山峠分岐の道標には、どちらも1.6Kmと書かれていました。ここでリュックを下ろし、最後のティータイムにします。仏果山にレンズを向けていると ... 明るい光が差してきました。見上げると、天の窓が開けて、まぶしいばかりの太陽! 急いで先ほどの紅葉庭園に駆け戻ります。先ほどとは様相が一変。逆光で「手のひらを太陽に」すかしたモミジは、尾根から谷底までまっかに燃えていました。何と言うことでしょうか! もちろん、また撮影しました。

その後の土山峠への下りには、高揚感がありました。「林相が美しい」というのはその通りで、仏果山・土山峠分岐を発ってから、旧土山峠付近の植林帯に入るまで、ずっとそれが続きました。バスの時刻に合わせるため、時々立ち止まって、たっぷりと晩秋の山の美を味わいました。土山峠にゴールインすると、帰りのバスが来るまで、宮ヶ瀬湖畔に行って、奥深く続く、静かな湖水を見ていました。今回も楽しい山歩きができ、また無事に下山でき、本当に感謝です。

木の葉ライン

↓ 紙芝居



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